習い事選びは、
- 極めるわけではないから、そこまで真剣に考えなくてもいい
- そこまで熱心な教室でなくてもいい
そんな考え方も、もちろんあるでしょう。
でも、習い事でカリスマ性のある指導者と出会うことは、子どもの将来に大きな影響を与えることがあります。
たとえば、ヴァイオリニストの千住真理子さん。三人兄妹の末っ子で、兄が通うヴァイオリンのお稽古について行ったのが、彼女の原点です。
その教室の先生が、鷲見三郎氏。
日本のヴァイオリン界を牽引した名指導者で、一時期は日本の名だたるヴァイオリニストが彼の門下生だったほどです。
千住真理子さんが鷲見先生の指導を受けることになった経緯は、少し特別な話です。
彼女の兄で作曲家の千住明さんが3歳のとき、テレビに映る鷲見先生を見て、「あの人に会ってみたい」と言ったそうです。
普通なら、「そんな有名な人。無理にきまっているわ。」
とその一言で軽く流してしまうでしょう。
でも、千住真理子さんのお母様は違いました。
その言葉を友人に話したことで、偶然にも鷲見先生と親しい方がいて、なんと本当に招待を受けることになったのです。
(こうした人脈が身近にあるというのは、環境の一つの大きな要素で、羨ましいことです。)
その日の体験は、衝撃的だったといいます。
お母様は「「こんな素晴らしい体験を明一人だけ受けさせるのは不公平だ」と思い、ピアノをすでに習っていた、後に画家になる長男の博さんにも習わせることになります。
真理子さんも、兄が習うヴァイオリンのお稽古に赤ちゃんの頃から一緒にお供していました。そうして、導かれるようにヴァイオリンを習うようになります。
結果としてヴァイオリニストになったのは真理子さんだけでしたが、兄たちも画家、作曲家として第一線で活躍しています。
千住家の子どもたちがそれぞれの道で才能を開花させた背景には、お母様の子育てが大きく影響していたのは間違いありません。
千住家の子どもたちがそれぞれの道で活躍しているのは、お母様の子育てが大きく影響しているのだと思います。加えて、子どもの頃に出会った鷲見先生の存在も、それぞれが自分の道を進む上で少なからず影響を与えている気がします。
そして同時に、幼い頃に鷲見先生という「カリスマ」に出会い、一流の音、一流の技術、普通に生活していたら味わえない環境が、心の奥深くに残る原体験となり、人生の方向を決定づけたのではないでしょうか。
習い事選びは、出会う人で未来が変わり、カリスマ性のある人との出会いは、将来に大きな可能性を与えてくれます。
- 正しく導いてくれる師
- 努力を重ね才能を磨き続ける情熱
- そしてそれを信じ、支え合う家族の存在
千住家の歩みから教えられました。
3兄妹そろって一流の芸術家に育てた千住家では、どんな子育てをしていたのでしょう。
千住真理子さんのお母様である千住文子さんは、製薬会社の研究員から教育評論家へと展開、子育てや教育に関する実体験を多数本にまとめています。
子育てに関する本として、おすすめなのがこの2冊
この2冊は、子育てのヒントになります。
母と娘の協奏曲
娘・千住真理子さんとの対話形式で、子育てや教育における親の役割、思春期の葛藤、親子の距離感について語られています。習い事の意味や師との出会いの重要性や親子関係の本音が描かれていて共感しやすいです。