上手くなるためにヴァイオリンの練習時間はどれくらいが理想なのか?
- 未就学児〜小学生:毎日15〜30分(集中力重視)
- 中高生以上・大人:毎日30分〜1時間以上(継続が鍵)
短くても毎日続ける方が、週末にまとめてやるより断然効果的です。
ただ、本格的にヴァイオリンを極めたい人、特にコンクールを目指すレベルの方の場合、レッスンの頻度や練習量はまったく違います。
音楽高校を受験した娘は、小学校の頃から毎日3時間、土日は6時間くらいやっていました。
では、毎日4時間練習すれば上手くなるのか?
多分なるでしょう。
趣味を極めたいのであれば十分です。
でも、4時間練習すれば、だれもがコンクールの本選に行けるレベルになれることは残念ながらありません。

mom
重要なのは「時間」よりも「質」
長時間弾いていても、以下のような練習では上達しません。
- 漠然と通して弾くだけ
- 弾けない部分を10回繰り返すという決まりを作って練習する
- 音程にこだわっていない
- フォーム、ボーイングこだわっていない
ただ練習時間が長ければいいというのは間違えです。
重要なの、練習の時間ではなく、正しい奏法での練習の質。
娘が、小学校の頃、前回のレッスンで指摘されたことを直してこないとレッスンしてもらえませんでした。
レッスンで指摘されたことを、録音し、ノートには、指摘されてことを箇条書きにし、先生が伝えてくださっている修正方法、練習方法などを細かく記す。
それをもとに次の週までに、できなかったところを修正するカリキュラムで練習を毎日行っていました。
なので、全部次回のレッスンまでに修正しようとすると、子供でも毎日3時間かけないと終わらないというのが現状でした。
スケールだけで、1時間。
曲も、細かく細かく取り出して、練習するので、3時間でも足りない。
コンクール前には、土日は、一日中ヴァイオリンを弾いていました。
ただ、全員が全員そういう練習をしているかというと、そんなことはありません。
幼い頃から正しい弾き方を身につけ、効率的な練習法を習得してきた生徒さんの中には、毎日それほど長時間練習していなくても、コンクールで入賞するという方も実際にいらっしゃいます。
つまり、「たくさん練習する=必ず上達する」という単純な話ではなく、
練習時間 × 指導の質 × 本人の集中力と理解力の掛け算で、上達スピードは大きく変わるのです。
※質の高い、正しい練習についてはこちらの記事でも紹介しています
関連 ヴァイオリン練習のコツがわかる本
上達には指導者のスキルが最優先される
ヴァイオリンの上達において「指導者のスキルが最優先される」というのは、非常に大きな真実です。
特に中・上級者、コンクールや音大を目指すレベルになると、その重要性はさらに増します。
〇〇音大卒の先生だから、素晴らしいと言うのは間違えで、コンクール入賞できるレベルのノウハウを持ち合わせていない指導者についていたら、先生のレッスンを忠実に守って毎日3時間以上練習しても、コンクール入賞レベルの上達は難しいと言うのが現状です。
世の中には、耳で聞いて、先生の弾く姿を目で見て、感覚的に会得してく天才的な人がいます。
演奏家としては素晴らしいのですが、指導するとなると論理的に言語化できない方もいらっしゃるのが現状です。
一方、教えるのがとても上手で、熱心な指導者は信頼感があります。
でも、そこにも落とし穴があって、間違った指導になっていた場合には、なかなか上達できずと言う状況を生み出します。
なかなか、毎回のレッスンで言われたことを直してレッスンに臨んでいるのに、毎日たくさん練習しているのに上達しないと言う場合には、指導者が合わない可能性がありますので、指導者を新たに探すことも検討してみてください。
趣味を極めるレベルの練習法
「プロになりたいわけじゃない」「音大を目指すわけでもない」
だけど、趣味とはいえ本気で上達したい方のための練習方について最後に紹介します。
指導者につかなくても、今の先生のもとで上達するための練習方法です。
- 正しい音程で弾く習慣を身につける
音程が悪い演奏は、不快な気持ちを与えます。
ピアノや、チューナーで確認しながら正しい音程が身に付く訓練をしてください。 - スケールは、毎日の習慣に。
ただ指を動かすだけでなく、「考えながら弾く」。
音の出し方、弓の配分、音色の変化などを確認しながらを意識する。 - 常に、手と耳と頭をリンクさせて弾く
- 毎日練習する
短い時間でも、毎日練習することに価値があります。
例え15分しか、練習する時間がなかったとしても、苦手な部分を取り出し、音程・音質・運指・弓使いを集中して練習してください。 - 最後まで通すのみの練習はしない
最初がら最後まで通して終わり。の練習は練習時間の無駄です。 - 目的意識を持ち質の高い練習時間を心がける
どんな意味をもたらす練習なのかを常に考える - 美しい音で弾く
頭の中に美しい音のイメージを常に持つようにしてください。
そのためには、いい演奏家の音を頭の中にイメージできるよう、日頃から、演奏会へ行ったり、録音を聞いいたりしていい音の基準を自分の中で持つ環境を意識的に作ってください。
ヴァイオリンの練習に役立つ本
ヴァイオリンが上手の秘訣は、何時間練習するかよりも、正しい方法で毎日練習することです。何が正解かがわからない場合には、何冊か本を買ってみることをおすすめします。何が間違っていたか気づくことが上達の一歩です。