6年生のGW、息子と一緒にしっかり勉強に取り組んだのに──結果はまさかのクラス落ち。
落ち込んだ私たちに、塾の先生が伝えてくれたのは「今こそ基礎に戻るべき」という言葉でした。
この経験から学んだ、“成績より大切なこと”をふりかえります。
ショックだった「クラス落ち」──あれだけ勉強したのに…
6年生のGW、息子は毎日8時間以上、机に向かっていました。
外出は1日のみ。出かける前に勉強も3時間したのでまったく勉強しなかった日はありませんでした。
12時間勉強した日もあったほどです。
それだけ頑張ったのだから、きっと結果は出る——私も、息子も、そう信じて疑いませんでした。
けれど、返ってきた組み分けテストの結果はまさかのクラス落ち。
愕然としました。悔しさと不安で、言葉が出ませんでした。
「なぜ? あれだけやったのに…」
今回の組み分けは、前回よりも平均点が低く、コースのボーダーも前回より下がりました。それでも、息子はそのボーダーに届きませんでした。
そのときの息子の表情は、今も忘れられません。
でも、このショックこそが、我が家にとって大きな転機になったのです。
苦手克服に執着したGW、それでも届かなかった理由は何?
クラス落ち決定のタイミングで塾との面談がありました。
私は怒られる覚悟で臨みました。
「方向性は間違っていません。大切なのは、今やるべきことに集中することです」
その言葉に、思わず耳を疑いました。
コースが落ちたのに「間違っていない」とは、一体どういうことなのか──
面談では、以下の2つの指摘がありました。
- クラス落ちした理由
- クラスにこだわる危険性
指摘1|クラス落ちした理由について
土台となる基礎が不完全だったから
- 比の単元について、5年生の基礎理解が不十分だった。 電流も、根本の仕組みを理解しきれていなかった。
- 電流も、根本の仕組みを理解しきれていなかった。
- 算数で180点を目指すために、難しい問題に時間をかけすぎた。
- その結果、点数につながりやすい「基本問題」の完成度が低かった。
- 理科と算数に集中するあまり、社会で点を稼げなかった。
- 合計点が下がり、組み分けのコースに届かなかった。
- 努力の方向性は良かったが、「すぐに点数になる学習」と「本番で効く学習」の違いを踏まえた戦略がなかった。
指摘2|クラスにこだわるのは危険性
そして2つ目の指摘
5年までは、クラスやコースを一つでも上げるために頑張る。
でも6年になったら、その発想はむしろ危険です。
組み分けは、限られた範囲から出題されるうえ、全教科の合計点で判定されます。
だから、暗記に走れば短期的に点は取れます。
社会や理科、漢字などで点数を稼ぎ、クラスを上げることも可能でしょう。
でも──
それでは「本番の入試」にはつながらないのです。
先生は強くこう言いました。
「秋以降、急に成績が落ちて取り返しがつかなくなる子は、苦手を放置して、目先の点数を取りにいった子です」
今回、上位コースにいた生徒の中にも、算数や理科が苦手な子がいる。
そういう子たちは、全範囲から出題される最後の組み分けテストで、コースを落とすことが多いのだと。
そして、こう断言されました。
「合格に一番近づくのは、苦手をつぶして基礎を固めること。
算数・理科を得意分野にすること。
上のクラスにいることではありません」
息子が比や電流にこだわって勉強したことは、結果が出なくても、意味のある努力だった。
その取り組み自体は正しかったのだと、ようやく納得できました。
面談で先生が伝えたかったこと
面談で先生は、こうおっしゃいました
「いくら難問に挑戦しても、土台が不安定ではその上に何も積みあがりません。
今は、息子さんは“コース落ちの実力”です。厳しいけれど、これが現実です」
そう言われたときはショックでした。
でも、先生は続けてこうもおっしゃいました。
「下駄を履いたまま上のクラスにい続けても、消化不良が続くだけです。
今こそ、基礎に立ち返るタイミングです」
夏までの課題|5年のやり直しを徹底的に
塾からの方針は、明確でした。
次の組み分けテストに力を入れる必要はない。
それよりも、5年の単元を一から解き直し、苦手をすべて潰すこと。
国語・理科・社会も同様です。
夏期講習が始まるまでに、「本当に苦手なところしか残っていない状態」にしておかないと厳しい、と強く言われました。
その言葉に、目が覚める思いがしました。
これまでの私は、つい「次こそはクラスを戻したい」と焦っていました。
でも今は、「次の合不合判定テスト」で力を出せるように、
地に足のついた勉強をしていくべきだと考えを切り替ることができたのです。
週テストに一喜一憂せず、基礎に集中する日々へ
その日から、週テストに向けて全力で準備するのはやめました。
最低限の復習にとどめて、空いた時間を5年のやり直しに集中させる。
週テストの点数はしばらく落ちても、気にしない。
その代わり、「わからなかったことを、確実にわかるようにする」ことにこだわりました。
息子と一緒に、基礎の再構築をコツコツと続けた結果、
少しずつですが「わかる」「できる」が積みあがっていく実感が出てきました。
クラス落ちは、私たちに必要なブレーキだった
今思えば、6年の春にコースが落ちたことは、むしろ幸運だったのかもしれません。
あのまま“下駄を履いたまま”の状態で突き進んでいたら、
もっと後で、もっと大きな代償を払っていたかもしれない。
夏休み前にやるべきことが見えたこと、
目先の点数より本質に立ち返れたこと──
あのときの挫折が、合格までの進路を整えてくれたと、今では思っています。
6年のクラス落ちでも絶望することはない!
中学受験は、つい目先の成績やクラスに心を奪われがちです。
でも本当に大切なのは、焦らず一つひとつ理解を積み重ねること。
わからないまま先に進まないこと。
我が家は、一度立ち止まり、基礎に立ち返る選択をしました。
時間はかかりましたが、それが最後に大きな力になったと実感しています。
入試までに苦手分野をなくす。
苦手分野が消えた時、結果は必ずついてきます。
最後に、6年で成績が思うように上がらず焦っている時に読むと、心が軽くなる本を紹介します。
母たちの中学受験 ~第一志望合格は3割。納得できる結末に必要なこと~
「人の母親たちの受験ストーリーを通して、「思い通りにいかなかった中学受験」にどう向き合い、納得していくかを描いたルポルタージュ。
この一冊を読むと、「合格だけがゴールじゃない」「納得のいく受験ってなんだろう」と、少し違う角度から子どもと自分を見つめ直せます。