子供が音楽をやっている関係で、音楽を習わせたい、音楽家にさせたいと思っている方から、習う時期や先生選びについて質問されることが多いです。
私が知っている中で、「音楽を習わせること」「音楽家になるため」について思ったことをまとめてみました。
その1では習う時期についてどんな楽器がいいのか、音大はどこがいいのかについてお話しします。
音楽家になるには、何歳から楽器を習わせればいいの?
早ければ早いほどいいです。
クラッシックの世界においては、特に、ピアノやヴァイオリンは、3歳から始めて小学生でプロになるという自覚でレッスンしないと、演奏家として認められるようになるのは難しいのかもしれない。と、活躍している演奏家たちを見て思います。
小さい頃から楽器を習うとどんなメリットがあるの?
吸収力が違います。ヴァイオリンの場合は、不自然なフォームで弾くので、構えるのが難しいです。
しかし、この不自然なフォームでも、3歳児、4歳児は、苦労なく構え方をマスターしてしまいます。この時に正しいフォームを学び、正しい奏法を学ぶと難しいテクニックも身につけどんどん上達していきます。
同時に、正しい音程を聞き分ける力やリズム感など鋭い音感を身につけることができます。
楽器は何がおすすめか
音高生や音大生を見ると、ピアノを習っていたという人がとても多いですね。ピアノを最初に初めて、その後チェロに転向した、オーボエに転向した、声楽に転向したという話を良く聞きます。
弦楽器も、管楽器も音大では、受験科目にピアノが副科として必須となっているので、ヴァイオリンを幼少期から学ぶ人は、同時にピアノも学んでいます。ピアノ科レベルにピアノも上手な人も中にはいて驚きです。
ピアノは、やっぱり音楽を学ぶ上では必須ですので、楽器に悩む場合は、ピアノから始めてみるのもいいでしょう。
ただし、ピアノは仕事にするには大変です。
弦楽器の方が、需要があります。
例えば、レコーディングや番組内での楽器演奏や、イベント会場での演奏、オーケストラの助っ人など、など。
音大生の間にもピアノ科に比べて弦楽器は仕事が多いですね。
卒業してからも、フリーで演奏活動して、オーケストラの空きを待っている人、音楽教室での指導と演奏家活動を並行して行っている人など、音大を卒業しても音楽に携わっている人は多いです。
音楽家になるための音大選び
音楽家になるためには、どこの大学で音楽を学んだかより、実績、ネームバリュー、コネクションなどがあることが重要です。実績とは、コンクール受賞歴ですね。コンクールで受賞するレベルは、良き指導者に学び音楽的技術や表現力を学んできた人たちです。
その指導者により、芸大系とか桐朋系などと区別され、その師が教授となっている大学で学ぶというケースが多いです。また、その指導者が桐朋卒の先生でも、現在は、東京音大で教えている場合には、桐朋ではなく、東京音大で学ぶということになります。
音楽家になるためには、どの大学へ行くかではなく、どの先生に学ぶかということが最も大切です。
先生選びで、将来が決まってしまうほど重要です。芸大だから将来が約束されるということはなく、芸大が一番凄いということもありません。
先生選びは慎重に
高校から、または、大学から先生を変えたいというケースがあります。
その場合は、受験前に、受験したい学校の先生につく、または受験後、希望の先生にお願いするという形になります。
しかし、師事する先生を途中で変えるというのは、いろいろな面でリスクが伴います。変更したことが裏目に出るケースもあります。
デリケートなことですので注意が必要です。
音楽を専門的に学ぶためには、どこの音大に行くかではなく、どの先生に師事するかです。音楽家になりたいと思ったら、誰に師事したいか。誰に習いたいか。先生選びがとても重要になってきます。
しかし、著名な先生についたから、万事うまくいくということはありません。
しっかりと基礎を身に着けた実力で習わなければ、実績がなければ、結局お客さんで終わってしまうことはよくあることです。
凄い先生についているのに、入学した時からまったく成長していないという場合には、基礎が身についていないで習っている本人に問題があります。
また、相性もあります。相性が悪ければ、同じ先生についても上達に差が出ます。
先生選びは本当に難しいです。才能のある方は、先生からアプローチがあります。突出した才能がない場合は、日々精進して、認めてもらいチャンスを広げていくことです。
先生選びについては、音楽家になるには~その2でもっと詳しく紹介しています。
クラシック以外の場合
クラシック以外の音楽家は、また違います。
趣味で習っていても、大きくなってから楽器を始めても成功している方はたくさんいます。
今はyoutubeに動画をアップすることで、名前を売ることが可能ですので、いろんなアプローチで名前を売ったり、学生時代にその業界の人とのつながり、仕事をもらいながらチャンスを広げていく人が私の周りでは多いような気がします。