「音楽を習わせること」「音楽家になるため」について思ったことを、習わせる時期や先生選びなどについて思ったことをその1、その2でそれぞれまとめてきました。
その3では、感性について紹介してみようと思います。
感性を育てる。
実は、これが一番大切なのかなといろんな方の演奏を聞いて思うことがあります。
プロになると、上手に弾けるのは当たり前。コンクールなどを聞いていても、指がとても良く回るのに、テクニックもあるのに、もったいないなと感じることがあります。
音楽家の上手い下手は、楽譜に描かれている音楽の何を聴衆に伝えたいか、何を届けたいかが評価になっているのかなと思います。音楽家は、テクニックはもちろん、表現力が素晴らしいとか感性があるとかで評価されることが多いですよね。
娘のレッスンに毎週付き添っていた小学生・中学生時代、感性を育てる体験をたくさんさせるように言われたことを思い出します。
娘と同じ年頃の子の演奏を聴いて、同じ曲なのにまったく違う聞こえ方をすることがあります。
テクニックだけでは埋まらない「感性」を見た時、感性を育てる体験を重ねてあげなかったこと、恩師に言われたことを軽く見ていたことに後悔します。
感性を育てる環境づくり
有名な音楽家の幼少期を書いた本などを見ると、感性の育て方のヒントがたくさん書いてあります。
- 赤ちゃんのころから、美しい音楽の流れる部屋で過ごさせる
- きれいな絵の絵本を読んであげる。
- 美しい文章に触れさせる。
- 美術館へ連れて行ってあげる。
- 読書好きにさせる。
このように、感じることに敏感になるような環境を与えることが、感性を育てるには大切なのだそうです。
娘のお稽古時代に、意識して取り組んでいたら・・・
我が家の経験からも、これから音楽を学ばせたいと思っているご家庭は、感性を育てる環境づくりを実践してくださいね。
心に響く演奏をする音楽家は人々に指示される
嬉しい、楽しい、美しい、悲しい、悔しいという感情が自己に対してだけでなく、本や絵。他人の行動。音楽に対して素直に表現できる人が、魅力ある演奏家として人々に支持されていきます。
五嶋龍くんがなぜ人気があるのか。彼が表情豊かだからです。彼のキャラクターや知名度だけで人気があるわけではありません。彼の弾くヴァイオリンは伸びやかでさわやかな気分になります。龍君の弾くヴァイオリンに人間性がにじみ出ているから人気があるのでしょう。
反対に姉の五嶋みどりさんは、真面目な性格がとても現れています。作品の意図をよく理解し。自分のイメージした音を出す為の執念を感じます。彼女の弾くpppはとても素晴らしく。pppにもこんなに種類があるものかというくらい作品によって使い分けています。
技術は、練習や努力でカバーできても、感性は、幼少期からしっかり育まれていないとなかなか身につくものではないと、いろいろな方の演奏を聴いて思います。
私たちは、お金を払ってコンサートに行って、心が揺さぶられたとき、来てよかった、聴いてよかったという満足感を得られます。
音楽家は、聴く人の心を動かし、心に栄養を与えるお金をいただく職業です。
「聴く人の心を動かす」音楽家になるために一番大切なことだと思います。